* 心の扉


ぱたん…

分厚く、そして頑丈に心の扉を閉める
自分そっくりの“虚偽の人形”を扉の外に置き
そうして心の奥底に仕舞い込んだ“本当の自分”は
小さな小さな小窓の隙間から外を覗く

誰にも気づかれないように…

その扉の鍵は、誰が開けるの?
自分で開けるの?
誰かが開けてくれるのを待ってるの?



他人から鍵を開けてもらっても
本当はまだ鍵がかかってるんでしょ?

外に置いた人形は、いずれバレる
“本当の貴方じゃない”と
貴方が本音を言ってる“フリ”してるのなんて
見てれば分かるよ

“扉を開けるのは貴方”

だって…
本当は外に本物の鍵穴なんてないから
内側からしか開けれない扉を開けるのは貴方

でも、本当は貴方も
本物の“鍵”がどこにあるか
分からないんだよね?

だから、怖くてもいいんだよ
扉を開けるのが怖いなら
小窓をいっぱい作ればいい

小窓をいっぱい作って
初めは外を覗く窓を増やしてみようか
慣れたらほんの少しだけ光を入れてみる?

小さな一点からしか見えなかった“外”を
今度は色んな方向から見てみようか

少しずつ、少しずつ
色んな窓から外をうかがって
貴方が“大丈夫”だと思ったら
今度はその窓を少しだけ開けてみればいい

窓を少しでも開けてくれれば
貴方に少しでも声がかけれるんだよ

そうやって開けれる窓が増えていけば
頑丈だった扉の鍵も
ほら…
たくさんの窓の光に照らされて
いつの間にか本物の“鍵”が見つかるよ

“大丈夫”

誰も貴方を急かしたりしないよ
貴方の周りに居る人は
きっと貴方が自分で“扉”を開けてくれるのを
優しく待ってくれてるから

だから“大丈夫”