* 月に魅するもの 〜 影の章 〜


〜  月に向かう  〜


夜になると今日も向かう
あの月に向かって…

ボクは月になりたい

月は真っ黒な夜空の中
まるでそこだけが別世界のように
ただ1つ大きく輝いている

周りよりひと際輝くその明るさは
目立つように見え
でもまるで…
そこだけが孤立しているかのよう

ボクは月になりたい

周りと関わらず
あの丸い世界に篭りたい
あそこに居れば
きっと安心出来る

あの光が他を寄せ付けない
あのキレイな丸が
きっとボクを包んでくれる

ボクは月になりたい

ただただ、そこに居るだけで
強調される存在感
己のみが唯一の存在

ボクは今日も月に向かう

月と同化したくて…

月に身を置きたくて…

心を預けてしまいたくて…

ボクは今日も向かう
あの闇夜に妖しく浮かぶ
月に向かって…