* 流星群と“好き”の気持ち


楽しみにしてた流星群がやってくる

楽しみなのは、流星群だけじゃなく
気になるあの人と会えるから…

“友達以上、恋人未満”

今はまだそんな関係のわたし達

バイトが終わって急いで向かう
少しでも可愛くしたくて
上着だけ着替えた

海岸の土手に座りながら
2人空を眺める

「流星といってもそんなに流れないね」
「ピーク過ぎてるからかな」

そんな会話をしながら
サンドイッチと珈琲を取り出した彼

「はい。お腹空いてるでしょ?」

バイト帰りのわたしの為に
彼が用意してくれていたもの…

「あ!今流れたよ!」
「こっちにも流れた!」

夜もどんどん更けてくると
夏前の海岸は肌寒くなる

見栄を張って
半袖なんか着てきた自分を悔やむ
肌をさすってたわたしに彼が気付いた

トレーナーを貸すと言い出す彼
断り続けるわたし

なのに、気付いたら…
彼のトレーナーはわたしの頭を通過して
暖かくわたしの体を包んでいた

帰り際、少しぎこちなく
彼の暖かい手が
そっとわたしの肩を抱いた

「キレイだったね」
「見れて良かったね」

照れながら2人海岸沿いを歩いた

ねぇ…
今日星が流れた数と同じぐらい
あなたの優しさ、見つけたよ

今日だけで、わたしの心の中に
「好き」の気持ちがたくさん降って来る

また来年、あなたと流星群を見たいな
その時は、“彼氏彼女”
その関係になってたらいいね

彼に支えられながら
わたしは満点の星空を見上げた

願いを叶えてくれるかのように
一つ、星が流れた…